【古事記】をわかりやすく楽しく読もう!【第12代景行天皇とヤマトタケル前編】#14

伊吹山(写真ACより)

彩雲(さいうん)です。
私のブログを訪れてくださり、ありがとうございます。
前回は第11代垂仁天皇のお話でした。
まだお読みでない方は、まだお読みでない方はリンクを貼っておきますので、ぜひお読みになってくださいね。

【第11代垂仁天皇】#13

今回は、第12代景行(けいこう)天皇と有名な御子ヤマトタケルのお話です。
それでは始めましょう!

景行天皇とその御子オオウスとオウス

オオタラシヒコオシロワケこと景行天皇は、多くの妻を持ち、80人の御子がいました。

しかし、多くの妻と御子がいるにも関わらず、美濃国(岐阜県)エヒメとオトヒメという、たいそう美しい姉妹がいると聞き、御子のオオウスに姉妹を連れてくるよう命じました。

ところがオオウスはこの姉妹に一目惚れをし、自分が結婚してしまいました。
そして、別の娘を探してエヒメとオトヒメと嘘をつきました。
天皇はすぐに別人だと見破りました。

この件で気まずくなり、オオウスは宮中の行事である朝夕の食事の時に顔を出さなくなりました。

天皇はオオウスの弟であるオウスに「オオウスはなぜ顔を出さないのか?お前から教え諭しなさい」言いました。
その後5日経ってもオオウスは顔を出さないので、天皇はオウスに「まだ諭してないのか?」と尋ねると、「とっくに諭しました」と答えました。
「天皇はどのように諭したか?」と聞くとオウスは「明け方に兄が厠(かわや)に入る時、捕まえてつかみ潰して手足を引きちぎり、袋に包んで投げ捨てました」と答えました。
びっくりした天皇は、オウスの暴力的な性格を恐れ、遠ざける口実として、「九州を支配しているクマソタケル兄弟を討て!」と命じました。
何も知らないオウスはまだ少年でしたが、叔母のヤマトヒメから衣装をお守りとして受け取り、短剣を懐に収めて意気揚々と出発しました。

オウスの熊襲征伐(くまそせいばつ)

九州南部にいるクマソタケル兄弟を征伐(せいばつ)するよう命じられたオウスは大和を旅立ちました。

九州南部までの旅は大変長い道のりで、やっとクマソタケルの家にたどり着きました。

家の様子をうかがっていると、家の周りは兵士が三重に守り固めて、中では宴(うたげ)の準備をしていました。

ちょうど頑丈な家を新築したばかりで、その宴の準備のため、人々が忙しく動きまわっていたのです。

そこでオウスは家の周囲を観察し、クマソ征伐の計画を立てました。

ついに宴の日がやってくると、オウスは髪をほどき、叔母(ヤマトヒメ)に貰った衣装を着て、すっかり美しい女性に変身してしまいました。

イラストACより

そして、宴に行く女性にまぎれて、新築の家にまんまと入り込みました。

宴が始まり、クマソタケル兄弟は女性に変装したオウスを気に入り、2人の間に座らせて酌(しゃく)をさせました。

宴もたけなわになった時、オウスは兄クマソの襟を掴み、胸に短剣で突き刺しました。

それを見ていた弟タケルは、慌てて逃げ出しました。
オウスはすぐに追いかけ、弟タケルの背中を掴み、短剣を尻からひと突きに刺し通しました。

刺されたまま弟タケルは、「あなた様は、どなたですか?」というので、とどめを刺さず抑え付けて「大和の天皇の御子オウス、またの名をヤマトオグナである。九州を支配しているクマソタケル兄弟を討て!と命じら征伐しにやって来た」と答えると弟タケルは「西には私たち兄弟より猛々しいものはいない!大和国には強い方がいらっしゃいました。今後は【ヤマトタケル】と名乗ってください!!」と言い終わると、すかさず剣を引き抜き、熟した瓜(うり)を切り刻むように弟タケルの体を切り刻みました。

この時からオウスは【ヤマトタケル】と名乗るようになりました。

ヤマトタケル イズモタケルを征伐

クマソタケル兄弟を征伐した、オウスことヤマトタケルは、大和に帰る前に出雲国にも猛々しい者がいると聞き、日本海を陸に沿って北上して出雲国に行きました。

すぐにヤマトタケルはイズモタケルと友達になりました。

ヤマトタケルは樫(かし)の木で偽物の太刀を作り腰に下げ、イズモタケルを誘って斐伊川(ひいがわ)に水浴びに出かけました。

斐伊川はヤマタノオロチに例えられた川でしたね。
お忘れの方はリンクを貼っておきます。

【オオゲツヒメとヤマタノオロチ】#4

ヤマトタケルは先に川から上がり、イズモタケルの太刀をつけ、「太刀を交換しよう!」と提案しました。

後からイズモタケルが川から上がってきて、ヤマトタケルの太刀をつけるとヤマトタケルは「太刀合わせをしよう!」と言いました。

イラストACより
写真ACより

両者が太刀を抜こうとすると、イズモタケルは太刀を抜くことができません。

すかさずヤマトタケルイズモタケルを斬り殺してしました。

こうして、大和に帰る途中でも山の神、河の神、海峡の神をことごとく平定して、大和の都に意気揚々と帰って来ました。

ま と め

いかがでしょうか?

今回はヤマトタケル前編になります。

ヤマトタケルの兄オオウスクマソタケル等の殺し方ですが、肉体を切り刻み死者が復活をするのを阻止するために行われたと考えられています。

オウスの暴力的な性格を恐れ、遠ざける口実で九州に追いやった景行天皇ですが、見事クマソタケル兄弟を征伐し、出雲国までも平定してきます。

次回はヤマトタケル後編、大和に帰ってきたヤマトタケルの運命は?
お楽しみに…

【ヤマトタケル後編】#15

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