彩雲(さいうん)です。
私のブログを訪れてくださり、ありがとうございます。
前回は【鳥居】のことをご説明させて頂きました。
まだお読みでない方は、リンクを貼っておきますね。
今回は、狛犬のことをご説明していきます。
それでは始めましょう!
狛犬(こまいぬ)の意味と基本の形
狛犬は参道や拝殿(はいでん)の前に左右一対となって設置されており、邪気をはらい、神前を守護する意味があります。
狛犬が飛鳥時代に仏教と共に伝わった頃は、左右対称の【獅子(しし)】でした。
平安時代ごろから狛犬は【獅子(しし)】と【狛犬(こまいぬ)】を組み合わせた霊獣(れいじゅう)になりました。
霊獣としての獅子は、【唐獅子(からじし)】と呼ばれています。
一般的に向かって右側が口を開けた【獅子】の像であり、向かって左側が口を閉じた【狛犬】で角(つの)がある狛犬も多いです。
口を開けている獅子は【阿形(あぎょう)】
口を閉じている狛犬は【吽行(うんぎょう)】
【阿(あ)】はサンスクリット語で最初の音であり、【吽(うん)】は最後の音で宇宙の始まりと終わり、最初と最後を示しています。
このように区別されていましたが、だんだんと両方ともまた獅子に近くなり、逆に呼び名は狛犬と言われるようになりました。
多くの狛犬は彩色されていませんが、屋内に置いてある狛犬には色がついているものもあります。
昔は天皇の席の玉座(ぎょくざ)に金の獅子と銀の狛犬が置かれて、悪霊から天皇を守る役目がありました。
【玉座】とは、天皇が座る席
また、宮中や神殿に置かれので金属製や木製の狛犬が多くありましたが、江戸時代ごろから拝殿前や参道など、外に置かれるようになってから現在の石造りの狛犬が主流となりました。
狛犬の起源
狛犬の起源は、エジプトのスフィンクス像やインドのライオン像と言われています。
シルクロードを通り、唐(中国)から飛鳥時代ごろ、仏教と共に朝鮮半島の高麗(こま)を経て伝わったので、【高麗犬(こまいぬ)】と呼ばれるようになったのが由来であろうとされています。
【高麗(こま)】とは高句麗(こうくり)のことで、朝鮮半島全体を高麗(こま)と呼ぶこともあります。
狛犬は平安時代ごろから獅子と狛犬が左右一対になりましたが、左右に決まりがありました。
神様から見て左側が口を開いた獅子であり、神様から見て右側が口を閉じた狛犬が置かれています。
これは【左優位】という中国の考えのもと、神様から見て左側が上位であり、右側が下位となり、実は獅子と狛犬には格差があったのです。
もともと中国では、左右一対の獅子だったのを日本では獅子の片方を狛犬として変えてしまい、オリジナルの霊獣を造りました。
狛犬の【狛(こま)】とは、異国のものという意味があり、狛犬は中国では異国の獣と区別されました。
こうして、神様から見て左側に中国生まれの獅子を置き、右側に中国にはいない異国の犬である狛犬を置いたのです。
また、宮中に調度品として置かれた獅子は金色で狛犬が銀色であるところも格差を感じます。
お寺には狛犬が造られる前から左右一対の仁王像があり、狛犬の【阿吽(あうん)】はまねをしたと考えられるそうです。
神の使い
ご祭神の由来から、色々な動物が守護している神社も多くあります。
これは祀られている神様の神使(しんし)でいわゆる神の使いです。または御眷属(ごけんぞく)とも呼ばれます。
稲荷神社
稲荷神社は、皆さんもご存知のとおりキツネですね。
稲荷神社は農業神を祀っているので、春になると山の神が山から降りて来て田の神となって守り、無事収穫が終えた秋に山に帰ると信じられていました。
キツネは農業が始まる春頃から収穫が終わる秋頃まで姿を見せ、山に戻ることから農業神の使いとされたと言われています。
天満宮
天満宮は菅原道真(すがわらみちざね)をご祭神とする神社です。
牛が神使(しんし)で生まれた845年が丑年(うしどし)で亡くなった903年も丑年でした。
太宰府に向かう時に刺客に襲われましたが、一匹の牛が道真を救ったと言われています。
道真は牛を可愛がっていて道真が亡くなり、亡骸(なきがら)をのせた車を牛に引かせて運ばせましたが、ある場所で突然足を止めて座り込んで全く動かなくなりました。
そこでその場所を墓地としたのが今の太宰府天満宮です。
このように牛に関わるお話がたくさんあります。
他にも埼玉県の三峯(みつみね)神社はオオカミ、秩父神社はフクロウ、調(つき)神社はウサギ、八幡宮はハト、三重県の二見興玉(ふたみおきたま)神社はカエル、奈良県の大神(おおみわ)神社はヘビ、滋賀県の日吉大社はサル、春日大社はシカなどまだまだ沢山あります。
ま と め
いかがでしょうか?
今回は狛犬のことを書かせて頂きました。
狛犬も最初は両方とも獅子だったのが、片方を狛犬に変わり、神の使いに姿を変えている神社もありました。
また、狛犬も色々表情があり楽しめます。
私は鶴岡八幡宮の狛犬が大笑いしていて大好きです。
元気をもらえるのでおすすめですよ。
次回は【参道】【鎮守の杜(ちんじゅのもり)】です。
お楽しみに!
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