【古事記】をわかりやすく楽しく読もう!【大国主命の国譲り】#7

出雲 稲佐の浜にて撮影

こんにちは!
彩雲(さいうん)です。
私のブログを訪れてくださり、ありがとうございます。

前回のお話はオオナムチスサノオの元から娘を正妻にもらい、八十神(やそがみ)兄弟スサノオの宝物の武器で退治しました。

その後、オオクニヌシと名のり国造りをするのですが、オオクニヌシはイケメンでとても女性にもてて、まめでしたので、全国に妻が居ました。

オオクニヌシはカミムスビ(造化三神の一柱)の息子スクナビコナと国造りをはじめましたが、ある日突然去ってしまいました。
オオクニヌシが途方に暮れていると、自分の魂(たましい)である幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)が現れ、もう1人の自分と国づくりを完成させたというお話でした。

まだお読みでない方はリンクを貼っておきますね。

大国主命の国造りと恋多き神#6

今回はオオクニヌシの国譲りのお話です。
それでは始めましょう!

【国譲り】アマテラスからの3柱の刺客と失敗

オオクニヌシは国造りを完成し、地上の葦原中国(あしはらのなかつくに)は賑わっていました。
それを高天原からながめていたアマテラス「葦原中国は、自分の子が治めるべき国だ!」と言い出しました。

【第1の使者】アメノオシホミミ
アメノオシホミミは天の浮橋(あめのうきはし)から地上を見渡すと、地上の神々が騒がしいので諦めてしまいました。
アメノオシホミミは、かつてアマテラスがスサノオと誓約(うけい)を行った時、アマテラスの勾玉(まがたま)から生まれた神です。
詳しい内容はこちらで確認

【イザナキの禊〜誓約】#2

【第2の使者】アメノホヒ
アメノホヒはアメノオシホミミの弟です。
アメノホヒはオオクニヌシに会いはしたものの、配下となってしまい、3年経っても何の報告もありませんでした。

【第3の使者】アメノワカヒコ
アメノワカヒコは、アマテラスの息子ではないが、野心家でよく仕事もできるので選ばれました。
アマテラスは、立派な弓と矢をアメノワカヒコに渡し、アメノワカヒコは地上に降りて行きました。
しかし、アメノワカヒコはオオクニヌシの娘シタデルヒメと結婚8年間も連絡せず、自ら支配者になろうとしました。

いくら待っても連絡がないので、アメノワカヒコの元へキジのナキメを派遣し、アメノワカヒコの家の門前にあるカツラの木にとまり、任務を思い出させるために語って鳴きました。

侍女(じじょ)のアメノザグメはナキメの鳴き声を聞いて、「この鳥の鳴き声は不吉ですので、弓で殺してしまいましょう!」と話すと、アメノワカヒコはアマテラスからもらった弓と矢で射殺してしまいました。

ナキメの胸を突き抜けた矢は、高天原にに居るアマテラスとタカミムスビ(造化三神の1人)のところに飛んできました。
タカミムスビがその矢を見ると、矢の羽根に血がついていました。
タカミムスビは「アメノワカヒコに渡した矢だ!」と言い、周りの神々に見せました。

「もしアメノワカヒコが邪(よこしま)な心があれば、アメノワカヒコに矢が当たれ!」と言って、矢が飛んできた穴に投げ返しました。
すると朝アメノワカヒコが寝ている床に飛んで、その矢を胸に受け死んでしまいました。

アメノワカヒコの葬式

アメノワカヒコが亡くなると、妻のシタデルヒメの泣く声は高天原まで届きました。
その泣き声を父親のアマツクニタマとアメノワカヒコの妻子が聞いて、地上に降りて来ました。

アメノワカヒコの弔いが八日八夜の間、盛大に行われました。
葬式のときにオオクニヌシの子であるアジスキタカヒコネが弔いにやってきましたが、その姿があまりにもアメノワカヒコにそっくりでしたので、アメノワカヒコの父と妻がアジスキタカヒコネの手足にすがって「死んでなかった!」と叫びました。

死人と間違われたアジスキタカヒコネは怒って喪屋を剣で切り倒し、足で蹴っ飛してしまいました。

この当時、死は穢れ(けがれ)であり、死者と間違われることは死につながる不吉な事でした。

【第4の使者】タケミカヅチ 最強の神登場!

稲佐の浜より撮影

3度も失敗し、最後に選ばれ派遣されたのは、最強のタケミカヅチ天を飛ぶ船の神アメノトリフネの二神を差し向け、武力で解決しようとしました。
二神は出雲国の稲佐の浜に降り立つと、剣を抜いて逆さまにして柄を下にして突き立て、剣の刃先の上にタケミカヅチはあぐらを組んで座りました。

イラストACより

タケミカヅチはオオクニヌシに「アマテラス様の命令でここに来た。地上の葦原中国(あしはらのなかつくに)は我が子が統治すべきとおっしゃっているがどうだ?」

オオクニヌシはすでに隠居の身なので「息子のコトシロヌシがお答えいたしますが、あいにく鳥や魚を取りに出かけています。」と言いました。

するとアメノトリフネがあっという間にコトシロヌシを見つけて連れて帰ってきました。
コトシロヌシは「この国はアマテラス様に差し上げましょう!」と宣言するとたちまち隠れてしまいました。

そこへオオクニヌシのもう一人の息子で力持ちのタケミナカタが、大きな岩を抱えてこちらにやってきました。

タケミカヅチは国を譲るよう伝えるとタケミナカタは「この国が欲しければ力くらべをし、そちらが買ったら譲るが、負けたら出ていってもらう」と言って、タケミカヅチの手をぐいとつかみました。

するとタケミカヅチの手がつららになり、刃物に変わリました。タケミナカタが驚いていると、今度はタケミカヅチが腕をつかんで軽くひねって投げ飛ばしました。

タケミナカタは慌てて逃げ出しますが、タケミカヅチは追いかけてきて、とうとう信濃の国(長野県)の諏訪湖まで追い詰められて、観念しました。
タケミナカタは「わかりました。この国はお譲りします。私は諏訪の地から外に出ませんから助けてください!」と命乞いをしました。

タケミナカタとタケミカヅチの力くらべは、相撲の起源になりました。

その後、タケミカヅチが出雲に戻りオオクニヌシに諏訪の地のことを伝えると、オオクニヌシは国を譲ること承諾し、条件を出しました。

その条件は、「ひときわ高くそびえる神殿を建ててほしい。高く高く太い柱を立てて、高天原に届くほどの千木をそびえた大きな神殿を造ってほしい。そうすればおとなしくこもっています。」と言いました。
タケミカヅチはオオクニヌシの条件を受け入れ約束をしました。

この約束で建てられた神殿が現在の出雲大社であります。

ま と め

出雲大社より撮影

いかがでしょうか?
今回はオオクニヌシが国造りを完成後、地上の葦原中国(あしはらのなかつくに)がとても賑わっているのを高天原から見ていたアマテラスが、自分の子が治めるべき国と言い出し、国譲りを迫ったお話しでした。

第3の使者を送るもことごとく失敗し、オオクニヌシに丸め込まれてしまいました。
しかし、第4の使者は最強のタケミカヅチで息子で力持ちのタケミナカタと力くらべをするも、あっという間に投げ飛ばされてしまいました。
この力くらべが、相撲の起源だそうです。

タケミカヅチとタケミナカタとの戦いは詳細に書かれていて、しかもタケミカヅチの手が刃物に変わるなんて【ターミネーター2】を思い出してしまうのは私だけでしょうか?
また、名前も似ていて紛らわしいですね。

それでは今回のお話しはここまでです。
次回は【天孫降臨(てんそんこうりん)】アマテラスの孫が地上に降り立ちます!
お楽しみに•••

【天孫降臨と猿田彦】#8

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA