彩雲(さいうん)です。
私のブログに訪れてくださり、ありがとうございます。
前回は第16代仁徳天皇のお話でした。
まだお読みでない方はリンクを貼っておきますね。
今回はオオハツセワカタケルこと第21代雄略天皇即位前迄のお話になります。
古事記の記事は初めてお読みになる方向けに書いていますので、今回は有名な雄略天皇までお話を進めていきます。
ちなみに雄略天皇の前には、
第17代履中(りちゅう)天皇
第18代反正(はんぜい)天皇
第19代允恭(いんぎょう)天皇
第20代安康(あんこう)天皇
が即位されています。
雄略天皇のお話に入る前に第20代安康天皇のお話を少しさせて頂きます。
それでは始めましょう!!
マヨワ仇討ち(あだうち)
アナホノミコこと安康天皇は、実弟オオハツセ(後の雄略天皇)のために嫁を迎えようと、叔父オオクサカに家臣ネノオミを遣わしました。
そして天皇は、家臣ネノオミに「あなたの妹ワカクサカを、弟オオハツセと結婚させたいので差し出してくれないか」とオオクサカに伝えさせました。
するとオオクサカは大変喜び、4回も頭を下げて「このような事があればと思い、妹を外に出さずにいました。恐れ多い限りです。妹を差し上げましょう!」と丁重にお答えし、お礼の品として押木之玉縵(おしきのたまかづら)をネオノミに持たせした。
【押木之玉縵】とは、形の良い木の枝に玉を付けた冠
しかし、家臣のネオノミはこの冠が欲しくなり、「オオクサカは縁談を断って、刀を抜き怒りました」と嘘の報告をしました。
安康天皇は大いにお怒りになり、すぐさまオオクサカを殺してしまいました。
そしてオオクサカの子であるマヨワは、安康天皇に父を殺されたことを知ると、すぐに安康天皇が寝入った隙を狙って首を切り落としてしまいました。
当時マヨワは7歳でした。
その後マヨワは葛城氏(かつらぎうじ)の頭領(とうりょう)ツブラオオミの家に逃げ込みました。
オオハツセの復讐と皇位継承者を次々と殺害
オオハツセは兄の安康天皇がマヨワに暗殺され、そのマヨワはツブラオオミの家に逃げ込んだことを知り、兄クロヒコに報告しました。
その事を聞いたクロヒコは驚かず大して気にしていませんでした。
クロヒコの態度に怒ったオオハツセは、クロヒコの首をつかんで引きずり出すと、斬り殺してしまいました。
そのままもう一人の兄シロヒコに報告すると、先程と同じ大して気にしない様子でした。
怒ったオオハツセは、また首をつ噛んで引きずり出し、穴を掘ってシロヒコを立ったまま生き埋めにしようとしました。
腰まで埋まった時に、その恐ろしさにシロヒコの二つの目玉が飛び出して死んでしまいました。
次にオオハツセは軍勢を引き連れて、兄の安康天皇を暗殺したマヨワが逃げ込んだツブラオオミの家を取り囲みました。
この時、オオハツセはツブラオオミの娘カラヒメと婚約をしていました。
家の中に向かってオオハツセは「カラヒメは中にいるのか?」と尋ねると、ツブラオオミは家から出てきて身につけていた武器を解いてひれ伏し申し上げました。
「娘のカラヒメは、差し上げましょう!また、私の所有地である五ヶ所の葛城の村を添えて差し上げましょう!しかし、私を頼って家にお入りになった御子様を見捨てるわけにはできません」
ツブラオオミはこのように申し上げると、武器をとり家に戻りました。
そしてマヨワを巡る戦いは続き、やがてツブラオオミ軍は力尽き、矢も尽きてしまったので、ツブラオオミは「もう戦う事ができません。どうしましょうか?」とマヨワに申し上げると、ついに自分を殺すようツブラオオミに命じました。
ツブラオオミは刀でマヨワを刺し殺し、自分の首を切って命を絶ちました。
オオハツセ 後継者になるため邪魔者殺害
オオハツセは兄2人を殺害しましたが、まだオオハツセはまだ若く、皇位を継ぐにはまだ早すぎたので、第17代履中(りちゅう)天皇の御子イチノヘノオシハが皇位を継ぐ予定になってました。
イチノヘノオシハは家臣がらも好かれ、大変人気がありました。
ある時、オオハツセはがイチノヘノオシハを鹿狩りに誘い、その野に着くとそれぞれ仮宮(かりのみや)を作って泊まりました。
翌朝、イチノヘノオシハは狩に出かけようとオオハツセの仮宮に迎えに行きましたが、オオハツセは夜が明けても出てこなかったので、先に行っているとオオハツセの家来に告げ先に馬を走らせました。
オオハツセが起きてくると、家来はイチノヘノオシハは先に行ってしまった事を告げ、しっかり武装をして信用しない方が良いと伝えました。
そして、オオハツセは先に走らせるイチノヘノオシハに追いつくと射落としてしまいました。
オオハツセはイチノヘノオシハの遺体を斬り刻み、飼い葉桶に入れて地中に埋めてしまいました。
地中に埋めたという事は、墓を造らないで粗末に葬った事になります。
【飼い葉桶(かいばおけ)】とは、牛馬のエサを入れる桶
イチノヘノオシハには、オケとヲケという2人の息子がいました。
身の危険を感じた2人は、お供も付けずに播磨(はりま)=兵庫県に逃げ、牛飼い、馬飼いに身分を隠して仕えました。
こうしてオオハツセは、皇位候補者を全て殺害し、オオハツセワカタケルと名を改め、ようやく即位しました。
第21代雄略天皇の誕生です。
ま と め
いかがでしょうか?
今回は安康天皇が突然暗殺され、次の天皇を狙ってオオハツセ(雄略天皇)が後継者候補を次々と殺害していきます。
安康天皇は暗殺されました。
天皇が暗殺されるのは、異例のことでした。
現在令和の時代ですが、第126代徳仁(なるひと)天皇陛下までの天皇の中で暗殺されたのは、今回の第20代安康天皇と第32代崇峻(すしゅん)天皇の二人だけです。
次回は後編、雄略天皇即位後のお話になります。
最終回になります。
お楽しみに•••
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