彩雲(さいうん)です。
わたくしの記事をお読みいただきありがとうございます。
前回は黄泉の国(よみのくに)においてイザナキとイザナミの決別まで、おはなしをしました。
まだお読みでない方は、記事のリンクを貼っておきますので、先にお読みになってください。
今回は黄泉の国(=死者のくに)において、イザナキは汚れてしまった体を清めるため禊(みそぎ)を行い様々な神々が現れます。
皆さんが良くご存じの三貴子も登場しますよ!
それでは始めましょう!!
目次
【アマテラス】・【ツクヨミ】・【スサノオ】の誕生!
イザナキは黄泉の国(よみのくに)に行ってしまったので、自分が穢れ(けがれ)てしまったと感じて、筑紫の日向(つくしのひむか)=現在の宮崎県の水辺(海という説もある)で禊ぎ(みそぎ)を行います。
【イザナキの禊ぎから生まれた神々】
脱ぎ捨てた衣類や装飾品から12柱の神々、汚れた垢(あか)から災いの2柱の神々、穢れ(けがれ)を流す修正する3柱の神々、水の底に沈んで浮かび上がるまでに
【ワタツミ】三神:水底・水中・水面それぞれ1柱
【ツツノヲ】三神:水底・水中・水面それぞれ1柱
それぞれ6柱生まれました。
この時生まれた【ツツノヲ】三神は
水底:ソコツツノヲ
水中:ナカツツノヲ
水面:ウワユユノヲ
であり、住吉三神といわれ、航海の神として現在大阪市の住吉大社(すみよしたいしゃ)にまつられています。
【三貴子(さんきし)誕生!!】
イザナキは最後に顔を洗い、左目から天照大御神(アマテラスオオミカミ)、右目から月読命(ツクヨミノミコト)、鼻から須佐之男命(スサノオノミコト)が生まれました。
イザナキは最後に3人の貴い(とうとい)子を持つことができたと喜びました。
そして三貴子に国々の統治を託しました。
アマテラスには、高天原(たかまがはら)の支配権、ツクヨミには、夜の国を、スサノオには、海を治めるよう命じました。
祝詞【祓詞】【祓戸大神(はらえどのおおかみ)】とは?
イザナキが禊(みそぎ)を行って様々な神が生まれたシーンは、祝詞(のりと)の【祓詞(はらえことば)】に出てきます。
神社の神主さんが神事(しんじ)を行う際に必ず最初に唱える祝詞(のりと)です。
皆さんも神社でご祈祷をお願いした事があると思います。最初に神主さんが祝詞(のりと)を唱えて、バッサバッサと棒の上に紙が付いている物(おおぬさ)を左右に振っている所を見たことありますよね。
これが「おおぬさ」です。その時に唱えた祝詞が【祓詞(はらえことば)】です。
【祓戸大神(はらえどのおおかみ)】はイザナキが禊(みそぎ)を行った際に現れた4柱の神々で、私たちの罪、穢れ(けがれ)を消し去ってくださる有難い神様です。
「日本書紀」や「古事記」には名前が出てきませんが、祝詞(のりと)の【大祓詞(おおはらえことば)】の最後に出てきます。
【瀬織津比売(せおりつひめ)】
もろもろのまがごと・罪・けがれを川から海へ流す。
【速開都比売(はやあきつひめ)】
もろもろのまがごと・罪・けがれを海の底で待ち構え飲み込む。
【伊吹戸主(いぶきどぬし)】
もろもろのまがごと・罪・けがれを根の国・底の国に伊吹を放つ。
【速佐須良比売(はやさすらひめ)】
根の国・底の国に持ち込まれた、もろもろのまがごと・罪・けがれをさすらい消滅させる。
以上4柱が祓戸大神(はらえどのおおかみ)です。
出雲大社では、ニの鳥居をくぐり、少し進んで右側に祓社(はらえのやしろ)があります。
ご祭神はこの4柱の祓戸大神(はらえどのおおかみ)です。
先ずここでお参りをし、自身のけがれをはらってからご本殿にお参りに行くのです。
アマテラスとスサノオ 誓約(うけい)によって生まれた神々とは?
スサノオは海を治めるというイザナキの命令に従わないで、母(イザナミ)に会いたいと泣き叫んでいました。
イザナキはイザナミと別れ、禊(みそぎ)を行った際に生まれたスサノオですが、なぜ母(イザナミ)なのか、謎ですね。
その泣き叫び声で、周りの木々は枯れ、泉も干上がり禍い(わざわい)が満ちてしまいました。
怒ったイザナキは葦原中国(あしはらのなかつくに)から追放を言い渡しました。
※葦原中国(あしはらのなかつくに):地上の国 現在の日本のこと
追放されたスサノオは、アマテラスに別れを告げてから母のいる根の堅洲国(ねのかたすくに)に行こうと思い、高天原に登って行きました。
【根の堅洲国(ねのかたすくに)】
入り口は黄泉の国と同じ黄泉比良坂(よもつひらさか)の先にある。生者と死者が共に暮らしている場所。
乱暴もののスサノオなので、アマテラスは高天原を奪いに来たと思って武装しスサノオを待ち構えました。
スサノオが別れを告げにきた事を伝えても、アマテラスは疑っているので、身の潔白を証明するため
【誓約(うけい)】をして子供を生むことではっきりさせましょう!という提案をしました。
【誓約(うけい)】
占いのようなもの。あらかじめ結果を宣言してその通りなれば勝ち。
アマテラスはスサノオの剣を3つに折って、水で清め、口に含んでかみくだき、粉々にくだけると「フー!!」と吹き出しました。
キラキラと舞い上がった吐息から3柱の女神が生まれました。
【宗像三女神(むなかたさんじょしん)】とばれるきれいな美人三姉妹です。
続いてにスサノオもアマテラスの勾玉(まがたま)を井戸水で清め、口に含んでかみ砕き、「フー!!」と吹き出すと、キラキラと舞い上がり、5柱の男神が生まれました。
【5柱の男神】アメノオシホホミ、アメノホヒ、アマツヒコネ、イクツヒコネ、クマノクスビ
アマテラスは私の勾玉から生まれた子は私の子、スサノオの剣から生まれた子はスサノオの子とした。
するとスサノオは「私の心が潔白だから心やさしい女神を生んだんだ!!」と主張し、アマテラスも認めました。
潔白と認められたスサノオは、もともと乱暴ものであり、おとなしくしてはいられません。
アマテラスの田のあぜや水路を壊したり、神殿にクソをまき散らし乱暴を働きますが、アマテラスはかばい、許してしまいます。
その後もスサノオの乱暴は続き、ある時アマテラスが神事に使う神聖な布を作るため機織り小屋で織姫(おりひめ)に着物をおらせていた時に、スサノオは馬の皮をはいて、機織り小屋の屋根に穴を開けて投げ込みました。
驚いた織姫(おりひめ)は、機織りの道具が刺さり亡くなってしまいました。
この事がきっかけとなり、弟をかばい続けたアマテラスは恐れて天の岩屋(あまのいわや)に隠れてしまいました。
【宗像三女神(むなかたさんじょしん)】
福岡県宗像市にある宗像大社(むなかたたいしゃ)総本宮のご祭神です。
沖津宮(おきつぐう):「沖ノ島」田心姫神(たごりひめのかみ)
↓49km 神職以外は渡島できません。
中津宮(なかつぐう)(大島):湍津姫神(たぎつひめのかみ)
↓11km 旅客船 約15分 フェリー 約25分
辺津宮(へつぐう)(本土):市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)
あの広島の厳島神社(いつくしまじんじゃ)も宗像三女神がご祭神です。
ま と め
今回のおはなしはここまでです。
イザナキのみそぎによりさまざまな神々が現れ、4柱のもろもろのまがごと・罪・けがれを消し去る祓戸大神(はらえどのおおかみ)、最後に三貴子(さんきし)誕生!
アマテラスとスサノオの誓約(うけい)によって生まれた神々までおはなししました。
神様の名前がたくさん出てきてアップアップしていると思います。
名前は全然覚えなくて大丈夫ですよ。
神社参拝の時、ご祭神の説明文を読んで「あのおはなしに出てきた神様だ!」と思うだけで、充分です。
次回はあの有名な岩屋戸(あまのいわやど)のおはなしが出てきます。
お楽しみに。
コメントを残す